(2013/04/13追記・治りました)
現在出品中のHB-F900ですが、入札がありましたので改めて動作確認していたところ、キーボードのいくつかのキーが反応しなくなっていました。
取り急ぎ別のF900から引っこ抜いたキーボードで試したところ本体側には問題なし。
キーボードをもう一台のF900に繋ぐと…やはりそちらでも同じキーが無反応。
こういうとき同じ機種が複数あると問題の特定が速いですね。
再度分解して見てみましたが基板などには物理的な傷は見当たらず。
こういう場合メンブレンシートなら接点のカーボン汚れをふき取ってやれば大体回復するんですが、F900のキーボードはこれまで幸いにして分解修理するところまで壊れたものがありませんでした。
ハード的なキースイッチの場合一度スライダーを引っこ抜いて接点を磨くことになります。
…F900のキーってどうなってたっけな…。
キー自体は鉄板に固定されており、その下にフィルムと基板がサンドイッチ。
この当時のキーユニットはひたすらネジ留めが多く、まあそれが打鍵感の良さに寄与しているわけですがいざ分解しようとするととにかく面倒くさいの一言。
とはいえキーを外して接点を磨くだけなら全部外す必要はありません。
別のPCに繋ぐと別のキーが反応しない、なんて場合もあって、そうなるとコントローラ不良まで疑わなきゃいけなくなるんですが幸い今回は3つの同じキーが同じように動作不良。
おそらくキースイッチにゴミを噛んだか、接点の汚れが限界に達したか、というところ。
一方本題のF900のキーユニットはSMK製。横浜の会社です。
最近は北米向けにWindowsMediaCenter用リモコンなんかを作ってる様子。
鉄板に錆がだいぶ出ていますね。本体の金属部は綺麗なものなんですが、やはりテーブルトップで手が触れる部分はゴミも入り込むし、ゴミが入っていればそこから酸化は避けられず。
本気出せ、金に糸目はつけぬ、というオーダーがあればキースイッチをすべて外して鉄板も錆を落として、キーの接点を全部磨いてタッチも新品同様に戻すこともできますが、ざっと見る限り機能に影響が及びそうな部位に大きな錆は出ていないので、今回は鉄板の錆は見なかったことにします。
今回はやってないんですが、錆が気になる場合はアセトンを不織布に含ませてしばらくかぶせておけば化学反応で錆が戻りますので、その後アセトンを洗い落として錆止めを吹いておくと良いです。
もちろん目に付いたゴミ、チリはあらかた除去して除菌はしてあります。
ご希望でしたら本気出しますので落札後ご相談ください。
さて、この機種の場合、キーのプランジャーとガワ、ラバーキャップがユニットとして一体化されています。
ユニットの側面に爪が4本あるのでピンセットやラジオペンチで軽く押さえてまっすぐ引き抜けば取り外せます。
接点が露出したらクリーナーを綿棒に含ませて丁寧にカーボンを除去。
オーディオテクニカのカセットテープ用が手に入れば基板側をヘッド用、ラバー側をローラー用で。
まだ大手量販店なら1000円弱で手に入ります。
どっちもなければKUREのエレクトリッククリーナーで。
隙間のチリは片手に掃除機を構え、もう一方の手でブロワーを使うと妙な隙間に逃げ込まれることがありません。
…人に見られると間抜けもいいところですが。
キーユニットはボックス構造でさらに厚い鉄板にマウントされ、ラバードームはキーひとつひとつですべて独立。
ここまでやったらそりゃメンブレンでもキータッチ良くなって当然ってもの。
破損したり汚した場合にも該当部分だけの修繕で済むのは楽でいいです。
全部のキーが一枚のラバードームシートの機種の場合(最近の低価格メンブレンキーボードはほとんどそうです)、一部分だけ交換というわけにはいかなくて、基本的には全交換≒新しいのを買ったほうが安いなんてこともざらです。
新品で代替品が手に入るうちは良いんですが、骨董レベルに古いものだとそうもいきませんしね。
ちなみに、現行商品では富士通のリベルタッチが独立ラバードーム構造で、入力圧の異なるラバーのばら売りもしています。
ちょっと細工すればF900のキーボードにも使えなくもないので興味があってF900を持っている方はお試しください。
…さて、これで治ると良いのですが。→治りました。
ついでなのですべてのカーソルキー、ESC、左右SHIFT、CTRL、TAB、BSあたりもクリーニングしておきました。
ほかのキーで動作不良が出た場合は同じように引き抜いてクリーニングすることでほぼ回復するはずです。
