結局のところ熱源からどれだけ熱を吸い取れるか、というのは密着度だったり、受熱側の容量だったりなのですが、手っ取り早いのはヒートシンクになる金属を大きく厚くしてしまうこと。一方で放熱のためにはフィンの面積や形状、放熱速度が重要になります。
良く使われるのは銅とアルミニウムですが、大雑把にいうと銅は吸熱性能は良いのですが放熱速度はそれほどではなく、重量があります。アルミニウムは吸熱性能はアルミの半分ほどですが放熱が速く、軽量です。
で、今回はコントローラICには銅板を、全体には幅20mm・長さ68mmで厚さ2mmのアルミを載せてみることにします。ただ、銅板はコントローラICとNANDの高さ調整が主目的なので、0.4mm程度ではおまじないになるかどうか程度。
20/68mmにしたのはSM961のNANDとコントローラをカバーしきれ、なおかつアッパーのヒートシンクに隠れる長さ、ということで。
PlextorのM8Pe系の場合は70mmちょい欲しいです。
ちょうど良い感じに幅20mm、長さ995mm、厚み2mmのアルミ材を見つけたので、だいたい大雑把に長さ68mmを目標に切断。だいたい70mm前後のものが14本取れます。
すこし遅い時間だったので家のガレージで作業するのも近所迷惑、でも買ったらすぐ作りたい…というわけで断面のバリ取りまではお店の工作室でやらせてもらいました。
…途中で面倒くさくなってこんなに要らないんだけどなーと思いながら作業してましたが。
きちんとした冶具でやったわけじゃないので両端は真っすぐじゃないんですが、まあそこはご愛敬。上からヒートシンクを載せてしまいますから、70mm以上になっておらず反りやバリがなければヨシとします。
さて、帰宅後。超音波洗浄で細かな金属粉を除去して乾燥させ…まあこのあたりはいつも通りなので省略。
まず、前回作った15.8mm角の銅板をコントローラICに接着。
ここに0.2mmの非粘着熱伝導シートを載せ、
これを載せて…更に熱伝導シート。
熱伝導シートはバンドのテンションとのバランスにもよりますが、今回はスリーエムの5580Hの0.5mm厚の物を使用。更にコレを被せます。
で、最後にシリコンバンドで留めて出来上がり。
なんなら全部接着シートでも良いんですが、バンド留めなのは単なる趣味です。
見栄えの点では間違いなく接着のほうがすっきりするんですが、あとで取り外すことも考えると、接着は避けたいところ。
今回使ったバンドは耐熱170℃程度のシリコンバンドなんですが、手持ち材料や厚みなどによっては熱収縮チューブやモビロンバンドなどを使っても良いと思います。
まあ、絶縁されている熱伝導シートと使った上できちんと固定してあげればまあ地金のままでも良いかなと。なんならぐるっと一周巻いて使うと良いかもしれません。
で、ここまでやっておいてなんなんですけど、ぶっちゃけ面積の点ではマザーボード側に熱伝導パッドでコントローラの熱を受け持たせたほうが圧倒的に簡単で温度下がるんですよね。
マザーボードによってM.2ソケットまでの厚みが一定じゃないので悩ましいのですが、参考までに当方出品中のM.2-PCIeアダプタは基板まで隙間1.4mmです。片面基板でしたら1.5mmの熱伝導パッドで良いはずです。
もう親の仇ってくらいに冷やす時には今回の加工と裏面放熱、ダメ押しが必要なら沖電線のクールスタッフ(ループタイプ)を併用してCPUクーラーやビデオカードもしくはチップセットのヒートシンクと接触させてしまう、というのも手です。
ループタイプは接着しなくてもそこそこのテンションで熱移動させられますからおすすめです。
おまけ。作り過ぎました。