ROG ZENITH EXTREMEとANTEC P110で組むその①

ROG ZENITH EXTREMEとANTEC P110で組むその①

先週までのあらすじ?
Asrock Fatal1ty X399 Professional GamingがHYPER M.2 x16 CARDを1枚しか使えないようなのでASUSマザー買って確認するべきかなーと思っていたところ、amazon.comでZENITHがセール入り。今回は中2日ほどで到着。
ついでなので新型ケースを試してみることに。

とりあえずですね、これ、ROG ZENITH EXTREMEとANTECの新型筐体、P110との組み合わせ…というかその組み合わせでの複数GPU&簡易水冷フル装備はあんまりよろしくありません
念のため書いておくと空冷なら全然問題ないんですよ。でも空冷ならこんなでかいの(≒中途半端なの)買わないよ、と…。

ていうかP110、いろいろ思い切りが良すぎて笑えます。もしお店で現物見る機会があったら是非見てみてください。

今回のターゲット構成はこんな感じに。
構成
M/B ASUS ROG ZENITH EXTREME
CPU AMD RYZEN THREADRIPPER 1950X
RAM Crucial PC4-19200/16GB*8
GPU AMD RADEONPRODUO(Fiji)
SSD ASUS HYPER M.2 x16 CARD *2
電源 EVGA 1200P2(1200W・80Plusプラチナ)|
chiller ENERMAX LIQTECH TR4
…最初Seasonicの1250XMで途中まで組んだんですがEPSケーブルの2本目が見当たらず泣く泣く組み換えたのはここだけの話にしておいてください。(…入ってたよなあ、確か…)
ついでに今貼ってる画像ではテスト用の4GB*8本です。

イメージ 3


ANTEC P110 Silent

とりあえず組むには組みましたが、多分そのうち組み替えます。(画像はあとあと追加予定)

良いところ
1・板厚が今どき珍しくがっしりしていて精度も出ている
2・サイドパネルがやたら重く、ビビリなどはほぼ心配無用

いまいちなところ
1・裏配線補助のケーブルクリップ位置固定で、ピンポイントにZENITHのUSB3.0端子と干渉する
2・拡張スロットの開口部が思い切りよすぎて笑える
3・トップに水冷ラジエータを取り付けようとすると高さ方向の空間の余裕が少なく、30mm厚のラジエータと25mm厚のファンの組み合わせですらマザーボードと干渉する
4・フロントに360mm水冷ラジエータを取り付けようとすると電源隠しのカバーの切り欠きに余裕がなさ過ぎて組み込み時に多少気を使うしファンが5発しかつけられない
5・新品を買ってるのに小傷や塗装時のゴミの噛み込みがやたら多い
6・フロントに電源ランプ兼用の発光する自社ロゴをデカデカとつけてしまうセンスのアレさ加減

1はまあクリップを取っ払ってしまうことで強引に解決。
爪で固定されているだけなのでひとまず表裏を逆にしてつけときます。
あとこれZENITH側がいまいち一般的じゃない位置に端子置いてるのが悪いとも言います。

2はなんというか、「あ、これでも良いんだよな、そういえば」と一瞬納得しかけます。
P110は板厚も十分なうえ、返しも一度で済む分、1段ずつ切り欠きを取るよりこのほうが強度が出ている気すらします。ただ、カードをマザーボードに対して垂直に固定したいと思うと基準になるものがなさすぎてちょっと途方に暮れるんですよこの方式。
ほかの場所もなかなか豪快でバックパネル部なんて折り返しただけよ?ブラケットの上部なんてがらんどうで開口しています。これでSilentとかちゃんちゃら笑っちゃうんですが。

この3番目が今回の構成では致命的で、RADEON系列で使われている30mm厚のラジエータは特にZENITHとの組み合わせではVRMヒートシンクとガチで干渉してしまい、こんなこと↓にしないと回避出来ません。

イメージ 1

ま、カバーかけちゃうと見えなくなるんですけどね、本人は知っちゃってますからね…。
次にホームセンターに行ったときにでもZ字ステー買ってきてきちんとオフセットさせる予定。
ついでにネジの留まっていない手前側のネジ穴のところの白くなっているのは塗装ムラというか噛み込みというか傷というか…です。このくらいの大きさのがあちらこちらにあります。
そうなってるのが1台2台じゃないのでこういう品質なんだと思います。

イメージ 2

CORSAIRみたく120mmファン用の固定位置を左へオフセットしときゃ済む話なのに、ANTECは昔からファンの芯を140/120で揃えようとするんだよね…。
RADEON PRO DUOのラジエータを前に逃がしてCPUを240mmラジならどうよ?と思っても、これらの要因により例えば39mm厚のLIQTECH TR4の240mm版(ELC-LTTR240-TBP)あたりは載りません。残念です。

4はもうあと30mmあけとくことがなぜ出来ないのかと。280mmまでなら下部開口部に関係ないのでまあ多分平気。

5は…まあANTECだからね、と言ってしまえばそれまでですが、擦過傷や塗装時のゴミの噛み込みなどが多すぎます。隠れるとこだから良いよね、ってもんじゃないだろと。
6もまあANTECだから仕方ない。なんか貼って隠す方向で。
しかしどうしてFractalDesignみたいなシンプルなマスクに出来ないのか。台湾製だからか。
これ、フロントマスクに「ANTEC」と掘り込みなんですよ。せめて違うのに差し替えられるとかなら段違いに好印象になると思うんですけどね。
まあANTECに限らずSilverStoneもLianLiもですけどね。自己主張は製品そのものでしときなさいよホントに。

で、3.5インチベイは電源ユニット前にトレー式がふたつ、拡張スロット8番と排他でふたつ。
…今回は電源にEVGAの1200P2でただでさえ奥行きがあるのに加えて8ピンVGA電源を6系統、EPSを2本取るため電源前はアウト、7番拡張スロットに2スロット厚のGPUを入れるのでそちらもアウト。

ざっくりまとめるとラジエータのサンドイッチ冷却が出来ないなら前後をもっと縮めて、その分?高さを増やせと…。

とはいえですね、まあ、こういう構成で使うような製品ではないということであって、P110自体のせいでは…まあ傷とかそういうのはANTECが悪いですけど、期待しすぎなきゃー割と良い製品だと思います。0.5mとかザラな今どきこの板厚は貴重です。
実売9000円くらいが適正じゃない?とは思いますが、それは目指した設計の良さを実際の製品であれこれスポイルされちゃってるせいです。塗装とか組み込まれるであろう部品の想定の詰めの甘さとか。
後発メーカーの製品がだいぶ安価で高品質になってきていることもあり、13000円前後という国内売価に見合うか?といわれると、うーん。せっかく頑丈なのにホントもったいない。

水冷なんてやらないから関係ないよ、という方もいらっしゃるでしょうが、それならこんなでかいの買わずにJonsbo U4買うよ、俺。圧倒的に見栄え良いし。

てことで買う前からだいぶこうなる気はしていたP110、案の定でした。

もちろん、トップにも25mm厚以下のラジエータであれば問題なく取り付けられます。
多分ANTEC純正の簡易水冷ユニットならスムーズに組めるのでしょう。
単に手持ちのRADEON PRO DUOのラジエータはトップへの取り付けはそのままでは無理だった、という話です。

ROG ZENITH EXTREME

次にROG ZENITH EXTREMEですが、Fatal1ty X399 Professional Gamingと比べてしまうと細かなところで私的にはFatal1tyに軍配があがります。

比較してみると
〇PCIe x4(PCH)が1スロット多い
〇WiGigを搭載
×PS/2がない
×USB2.0のポートが少なすぎる
×フロントオーディオなど最下段のピンヘッダが使いづらい
拡張カード用の追加電源端子が今どきペリフェラル端子(大4ピン)
等々。

・PCIex4が多いのはおそらく10GbEをカードバンドルにしたおかげだと思います。ただこいつ1000Base-Tも1ポートなんですよね。
・WiGig…こちらもネットワーク関連ですがデスクトップ機で使い道、ありますかね…?というか年内でWiGig製品終了のお知らせが出てるんですが。

PS/2がない。これはまあほとんどの人はもうどうでも良いでしょうから別にいいとしても、
USB2.0が内部に2ポートあるのみ。こっちはさすがに少なすぎる。Unifyingアダプタとかね、USB3.0と干渉するの、そろそろ改善されたんでしょうかね。(BuffaloあたりのUSB3.0ポートに繋いでUSB2.0だけパススルーで取り出すハブとか便利ですねー。独り言です)

・フロントオーディオのピンヘッダが7番スロットの拡張カードと干渉する→画像のRADEON PRO DUO以外でも結構いろいろなカードがダメで、結局今のところフロントオーディオは配線せずに組んでいます。
あとでプラグ側のカバーの厚みを減らす加工をしてどうにかなるかな?といったところ。
この点Fatal1tyは倒立ポートを備えるため、7番に大型カードを組み付けても問題なくフロントオーディオ端子が使えます。
まあ、この製品に搭載されているALC1220とSABRE9018を活かそうと思うならフロントの端子も筐体のオマケ端子じゃなくもうちょっと良い部品使って作るべきですから、あんまり気にしてもしゃーないですが。

拡張カード用の補助電源コネクタが今どき4ピンペリフェラル端子(大)。
Fatal1tyは6ピンPCIe補助電源コネクタです。どうせ12V系しか使わないんだからそっちが正解だと思うんですよねえ。使いもしない5Vなんて引き回してもアンテナにしかならないし、PCIe補助コネクタなら脱着しやすいし不慮の脱落も減るし。


よさげなポイントとしては
・ステータス表示用のVFD
・DIMM.2カードによってM.2NVMeが冷却しやすい位置にある
・なんか豊富な付属品
あたりでしょうか。ただ、あくまで「良さげ」レベルで、最高!と手放しで褒められるものでもありませんでした。

ステータス表示、今回の構成だとRADEON PRO DUOのラジエータで隠れてなんかシャイな子みたいな状態になってますがちゃんと見えれば便利ではあります。場所もうちょっと考えてくれるか、外付けにでも出来たら良いのに。
DIMM.2は高発熱カードに囲まれることになる拡張スロット部に置くよりは圧倒的に良いものです。
ただ、DRAMソケットが近く、あまり厚みのあるヒートシンクはどのみち使えません。あと5mm離してくれてればなあ。

付属品はFatal1tyもたいがい色々ついてきますが、更に上をいく豊富さ。
WiGigカードやらドライバが入っているUSBメモリ(ROGロゴ入り)やら、ASUS AREION 10GbEカードやら。

AREIONは「他社が10GbEつけてるしうちも一応つけとかないと見劣りするよな…でも単品売りしてるの全然売れてないよな…閃いた、あれ(不良在庫)をバンドルってことにすりゃ良いじゃん!(良いじゃん!)」みたいな裏事情が透けて見えるような気がしなくもないですが、帯域の割り振りなどを考えても拡張カードで添付というのも考え方のひとつではあります。
でもねえ、AREION、旧世代カードですからね。
同じASUS製のAquanta10GbEカードとしてもXG-C100Cより消費電力などの点で見劣りします。
そもそも最初の製品選定時にこの点が気になってAsrock買ってるんですよね(てかあっちのほうが安かったし…)。

良い点としてはなにしろPCIe帯域分割の自由度の高さ。x16スロットは2スロットともPCIeRAID(x4x4x4x4)モードに出来ますし、x8スロットもx4x4に出来るため、最大枚数だとDIMM.2・チップセットのとこに隠れてるスロットも合わせて15枚のNVMeカードが取り付けられ、なんなら15枚でのRAID構成も可能なようです。
あ、U.2も1ポート備えますが、これ、7番スロットのx8を半分奪って取り出す設計なのでトータルで組める枚数は結局15枚です。


どうもねえ、ASUSはハイエンド機というとアレコレつけたがるケがありますが、そうじゃなくて「シンプルな高性能機」が欲しいんですよ私。同じ値段でも良いから不安定要因を最大限排除した製品出してくれたら良いのにな。