TX1330M2にはサーバー機ですがPCIeビデオカード用の外部電源端子と形状互換ピン配列互換の6ピン電源コネクタがSASバックプレーン用として3系統用意されています。このため、ビデオカード用の6ピン延長ケーブルを用意するなどすれば補助電源が必要なビデオカードも搭載可能です。(2017年10月29日修正)
電源ユニットの総出力は450W。
電源効率の認証規格80Plusのプラチナ認証を得ており、ちょっとしたBTOのPCなどでは載っていないようなグレードのものを奢っており、よほどがっつり使わない限り電源容量が不足するようなことはありません。
最近のビデオカードは低消費電力性能が向上しているので450Wでも十分だったりします。
SASバックプレーンに予め接続されている1系統を除くと遊んでいる6ピン端子は残り2系統。
RADEON RX4x0やGeForce GTX1060あたりまでなら2枚挿しももしかしたら可能?
ということでビデオカードの搭載について検討してみます。
製品選定時に検討すべき点
問題になりそうなのは次の点。
・電源容量
・物理的なサイズ
・PCIeのバス幅
・物理的にケーブルが届かない
ひとつずつ見てゆきます。
電源容量
電源ユニットの出力については先述の通り、最新のビデオカード、具体的にはRADEONならPolarisやVega、GeForceであればKepler以降現行のPascalなどではTitanや1080Tiを持ってこない限りほとんど問題にならないでしょう。あとそいつら物理的に入りません。
例えばマイナビの検証では電源ユニットの仕様が不明ながらX99+i7-5930+32GBという重量級構成で
RX480 150.2W
RX480CF 312.7W
GeForce1070 146.5W
GeForce1080 193.4W
などとなっています。
RX5x0系はほぼ4x0のリファイン+多少のクロック向上を施したものなので、数%上乗せしておけばよいと思います。
ハイエンド・ミドルハイあたりでこのくらいですので、これらより下のグレード、RX560・GeForce1060などでは更に省電力になっています。
いずれにせよ本機のようなLGA1151環境+80Plusプラチナ電源であればこと電源容量に関しては気にしなくて大丈夫でしょう。
少し気にしないといけないのは古い製品を使いまわす場合でしょうか。
てかマイナビの記事、どっかに書いてあるのかな電源…。
もう一つの電源の問題
上で電源ユニットの容量的に問題はない、と書きました。
書きましたが、本機において一切気にする必要はない、という話ではありません。
一般的にビデオカードはPCIeバスからと補助電源コネクタからの2系統の電源供給を受けて動作します。
このとき、PCIeバスの電源供給容量は次のように規定されています。
x1 10Wまたは25W(High power)
x4/x8 25W
x16 25W/75W ※ロープロファイル機では25Wのみの場合あり
この点は特に補助電源コネクタを持たないカードの場合に顕在化します。
ビデオカード向けの6ピン電源端子は規格上75W、実際には芯材の太さにもよりますが通常12V8~9Aを2系統、計200W近い電力を供給できるためバスからの供給が少なくてもほとんどの場合で問題にならないのです。75Wの範囲で使うべきではありますが…。
それが不可能な場合どうなるかというとPCIeバスから可能な限りの電力を吸い上げようとします。
過剰な負荷のかかった電気回路や配線は大幅な発熱増を招き、中長期的には劣化が早まり、悪くすればPC全体を巻き込んで故障・破損する場合があります。火事の原因にもなりかねません。
本機で使うビデオカードは
A・6ピン補助電源端子を持ち、かつ必要な性能を充足する範囲で少しでも低消費電力の製品
B・追加の電源端子を持たない製品の場合、その12あたりで紹介した低TDPの製品、GeForce GT1030やGeForceGT730/720、同710、複数の画面が必要ならQuadro P600/P400など
を選定するのが良いでしょう。
GeForceではGTX1050Tiを選びたくなりますが、その場合補助電源端子のある製品を選ぶようにしてください。
(ほとんどのGTX1050Ti製品は補助電源なしのようですが…まあ実際にはほぼ問題ないとは思うんですが)
RADEONを使う場合、RX550などの追加電源を持たない製品ではなく、RX560、RX570といった製品のほうが安定すると思われます(RX550自体は良い製品です。AMD製GPUは同等グレードのGeForceに比べ若干消費電力が大きく本機のスロット構成には不適というだけです)。
物理的なサイズ
HDDベイが筐体の奥行きのかなりの部分を占め、カードスロットの上にシュラウドがかかる本機ではカードの長さ・高さのいずれもかなり制約を受けます。
かといって短尺のものを選ぶと今度は高さが問題になります。シュラウドにぶつかる、ブラケット部の固定クリップが取り付けられないなどろくなことがありません。
つまり物理的なサイズが一番の問題です。
ていうかRX Vegaみたいなカード全体をヒートシンクやカバーが覆うタイプはブラケット固定クリップがかけられないので、シュラウドがどうとか長さがどうとかいう前に取り付け不可能なんですけどね。
あ、ご自身でゴリゴリとネジ切ってやりゃ別です。
絶対載らないビデオカードの一例。
(from gaming.radeon.com)
(from nvidia.co.jp)
まあ水冷機はラジエーターつける場所がそもそもないですしね。
PCIeのバス幅
一般的なビデオカードはPCIe x16での接続を標準としています。
本機ではPCIe x8形状のスロットが3(うち1は信号幅x4)、x4形状のスロットが1(信号幅x1)となっていますが、x8形状のスロットはエッジフリーのため、x16のカードの取付も可能です(動作はx8となります)。
x16のカードをx8で使って問題ないの?
性能面で特に問題になることはありません。
長期的にノーメンテナンスだと端子に埃が付着する危険性が少し高いかもしれませんが、まあ掃除しろと。
x16のカードをx8で使って性能低下はないの?
PCIeバスのx16とx8ではレーン数がそのまま2倍違います。当然転送できるデータ量も倍違う…のですが、ビデオカードに関しては現状x8動作とx16動作でほぼ性能差がなく、あまり気にする必要はないでしょう。
というかビデオチップとVRAM内で完結できる処理が大半であまりバス側に依存しておらず、CPUとの接続はx8で充分な程度の転送量ということですね。
例えばGeForce1080のx16動作を100%とした場合にx8で1~2%、x4動作で6~8%程度の速度低下とみておけばよいと思います。
でもよっぽどゴリゴリにPUBGやるぜ!とかじゃなきゃx4でも4K60Hzで使ってて特にひっかかったりもしないんだよね…。
必要十分な程度の速度は得られている、ということかと。
物理的にケーブルが届かない
6ピン電源端子はバックプレーン用にちょうど良い長さに仕立てられており、そのままでは当然拡張スロットまでは届きません。追加電源の不要なカードを使うか、6ピン延長ケーブルを用意するか、です。
※1番バックプレーンから奪ってくれば長さは足りますが、下記の通りコネクタ形状の問題がありますので、結局2番3番から引いてきたほうが簡単です。
※ゲームなどで連続動作させる場合、細いケーブルは発熱する場合があります。ある程度芯線の太いケーブルを使うことをお勧めします。
6ピン電源のコネクタ形状が合わない
(本項2017年10月29日午後追加)
バックプレーン用の6ピン電源端子は端子形状がPCIe規格の補助電源端子とは形状が微妙に異なります。
1番ベイのケーブルを横取りして直接接続するのではなく、2番ベイ・3番ベイのケーブルから引くようにして間に中継ケーブルを挟むことで端子形状の変換と延長を同時に行えます。
ピン配列自体は一緒なのでその点では問題なく動作します。
続きます。
日間ランキングに載るとYahoo!からご褒美?にTポイントがもらえるんですが、こんな感じです。
1ポイント。
しかもコレ期間限定ポイントなのか通常なのかわかりづらい。
期限つきのだと使用可能期間10日くらい?
どうしろと。
いやまあ毎週何かしらヤフオクで落札したりしてるんでありがたく使わせていただいております。
ちなみに上位ランカーでも100ポイントらしいよ。
今まで通り書けるときに書く方向でまったりやってますので、気が向いたら見に来ていただけると嬉しいです。
ご覧いただいた方にとって何かしらの参考になってると良いのですが。