富士通 PRIMERGY TX1330M2 その16・ビデオカードの搭載②

富士通 PRIMERGY TX1330M2 その16・ビデオカードの搭載②

準備中。11月5日頃まで暫時追記されます。

ビデオカード搭載時の基本的な注意点は前項(その14・ビデオカードの搭載その①)にてまとめました。
次は搭載可能な製品を見てゆきます。

補助電源ケーブル不要のビデオカード(x16)の場合

そのまま2~4番スロットに取り付けます。2番はx4、3・4番はx8での接続になります。

それほど描画速度が必要ない用途の場合は2番に取り付けると3・4番スロットに広帯域が必要な40GbEやらNVMe RAIDカードやらを同時に利用可能。

前項で示した電源に関する注意事項を参照してください。

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(photo from jp.msi.com)

TDP30W以下の製品としてGeForce GT1030、GeForce GT730/GT720/GT710(※いずれGDDR5搭載モデル。DDR5/128bitバス幅のものは50Wです)、Radeon R7 240などの製品があります。x16向けビデオカードとしては低価格帯となるため、メモリ帯域幅など性能を抑えられていることも多いので選定時には留意してください。

TDP35WのAMD RADEON PRO WX2100。$130前後で買えるため、4Kを3画面出そうと思うとこの機種が最安(ただし北米amazon.com)。50Wクラスで問題なければ4K60Hz*4が可能なこの上のクラス、WX4100やNVIDIA QuadroP600あたりも視野に。

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(photo from amazon.com)

このWX2100のように信号ピンはx8分なのに基板はx16サイズ、という製品がたまに出てきますが、どうせならx8スロットでも使えるようにしてくれたら良いのに。TX1330M2はエッジフリーソケットなので問題ないですけどね。

補助電源ケーブル不要のビデオカード(x8)の場合

x16の場合と同様。
新品で入手可能なx8カード
2017年10月下旬時点ではGeForce GT730/GT720/GT710を搭載した製品がASUS/MSIなどから発売されています(2014年夏発売)。
いずれの製品もTDP30W以下であり、概ねPCIe x8での電源供給性能25Wの範囲で収まるよう設計されています。x16のものとは別の理由として消費電力抑制の目的でメモリ帯域幅など性能を抑えられていることも多いので選定時には留意してください。

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(photo from asus.com)

国内流通品
ASUS GT730-SL-2GD3-BRK (価格コム) ファンレス・VRAM2GB・ロープロファイル2スロット厚

GT710搭載製品はASUS(2GB/1GB)、MSI(1GB)、PNY(1GB・ファン有)などが北米amazon.comで購入可能、2017年10月下旬時点ではすべて日本向け発送可。

入手可能な製品はどれもロープロファイルのため、搭載について物理的な干渉の可能性は低めです。
ただしGT710の製品のいくつかを除きヒートシンクの厚みが2スロット分あるものがほとんどなので用途と検討して選定する必要があります。

補助電源ケーブル不要のビデオカード(x1)の場合。

x16・x8の場合と同様の2~4番スロットに加えて1番スロットへの取付も可能です。
新品で入手可能なx1カード
北米amazon.comZOTAC製GeForce GT710 VRAM1GBのものが日本向け発送可能。
DVI/HDMI/アナログRGB装備。

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(photo from amazon.com)

2017年10月下旬時点では国内で現行機種として十分な性能を持ち発売中のものはないようですが、GeForce GT610を搭載したカード(玄人志向等)、MatroxMillenium G550・同P690を搭載したカード(2005年発売…)等がまだ店頭在庫として少量流通しています。
…G200eからG550やらP690に替えて何かメリットがあるとしたらDVIが一応使えることくらいでしょうか。
このあたりを買うくらいなら中古でQuadro NVS290・NVS285あたりを買うほうがよさそうです。

いずれの製品もTDP30W以下であり、概ねPCIe x1での電源供給性能25Wの範囲で収まるよう設計されています。x16のものとは別の理由として消費電力抑制の目的でメモリ帯域幅など性能を抑えられていることも多いので選定時には留意してください。

入手可能な製品はMatrox製品以外どれもロープロファイルのため、搭載について物理的な干渉の可能性は低めです。
ただしGT710の製品のいくつかを除きヒートシンクの厚みが2スロット分あるものがほとんどなので用途と検討して選定する必要があります。


補助電源ケーブルを要求するビデオカード(x16)の場合

補助電源ケーブルの接続が必要なビデオカードの場合、予め電源延長ケーブルを用意し、2番・3番バックプレーン向けの電源ケーブルを束から引き出しておきます。
2~4番スロットに取り付けます。2番はx4、3・4番はx8での接続になります。

それほど描画速度が必要ない用途の場合は2番に取り付けると3・4番スロットに広帯域が必要な40GbEやらNVMe RAIDカードやらを同時に利用可能。

※前項で示した電源に関する注意事項を参照してください。

(画像追加)
2番・3番バックプレーン向けの電源ケーブルを束から引き出しておきます。
そこへ延長ケーブルを取り付け、ビデオカードへ。
動作を確認した延長ケーブルは次の4種。

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(photo from amazon.co.uk)

SilverStone SST-PP07-IDE6各色 250mm スリーブケーブル
アイネックス PX-005B 150mm
PX-012 150mm SATA電源との組み合わせで8ピンビデオカード
変換名人 PCIE6P/CA30 300mm

併用予定の拡張カードの構成によって取り付けるスロットを決めます。

x8とx4での性能差は数パーセント。

Etheriumマイニングリグとして利用したい場合など描画性能がそれほど必要なく、でも電源周りが気になる、という場合はx1スロットから電源供給機能を備えたブリッジを併用する手もあります。ただし純正オプション用のスタンドオフとの干渉の可能性が高いため、パーツ選定には注意が必要です。

バックプレーン向け電源ケーブル接続時の注意点
バックプレーン向け電源ケーブルは1番向けのものはマザーボード経由で、2番・3番向けのものは電源ユニットから直接接続されます。1番ケーブルはマザーボード上で生成された5Vも同時に通してありますが、12Vのみ使用するビデオカードへの接続では5Vケーブルは不要です。
マザーボードに余計な負荷をかけないため、マザーボードの電源回路を使用しない2番・3番から引くことを推奨します。
なんなら1番バックプレーンも接続先を繋ぎ変えても良いくらいです。
TX1330M2/M3でのPCIe x16 ビデオカード選定時の注意点
電源出力の点では一部の旧式ハイエンドカードの他は特に搭載できないビデオカードはなさそうなTX1330M2/M3ですが、物理的な干渉による搭載制限があります。
・出荷時点ではロープロファイルサイズの拡張カードを前提にシュラウドが拡張スロットを覆っており、フルサイズ拡張カードの搭載時にはシュラウドを一部折りとる必要があります。
想定されている折りとり幅を切っても高さのある拡張カードは干渉する場合があります。
大型クーラーを搭載したカードではブラケット部の固定クリップが使えず、固定が難しい場合があります。
・吸気がCPU前方のファンに依存するため、拡張スロット部に熱だまりが出来る可能性があります。

選定時には製品画像などからこれらを検討し、対策が可能か、十分考慮する必要があります。

最初から検討するだけ時間の無駄なカードの例。基板の背高すぎ。
イメージ 6
(photo from dlcdnimgs.asus.com)

イメージ 5
(photo from asset.msi.com)

一見するとコンパクトで良さそうですがヒートシンクカバーがブラケットに近すぎてクリップがかけられない例。
イメージ 7
(photo from jp.evga.com)



続きます。