ひとまずWindows10からは問題なく認識・動作。
ただし標準的な方向に取り付けようとすると純正用の固定部が干渉するため、PT1/PT2のブラケットを一度取り外し、180度ひっくり返して取り付け。このセットを使う際のお約束のようなものです。ブラケットの衛星と地上波の表示が逆になりますが、まあ使うときに忘れなきゃ良いことです。なんならラベルを貼りましょう。
試したのは
Ably-Tech GH-EB262-C13(うろ覚えですが。DIRAC流通版だったかも)
Earthsoft PT1
で、今回の組み合わせだと多少PCIスロットが緩いようなのでタイラップなどで固定したほうが良いかも。
その他、念のため接触の可能性がある部分は絶縁しておきます。
PT1revAを搭載した場合にLinuxlからlspciコマンドで確認すると次のようになります。
04:00.0 PCI bridge: Pericom Semiconductor PI7C9X111SL PCIe-to-PCI Reversible Bridge (rev 02)
05:04.0 Multimedia Controller: Xilinx Corporation Device 211a (rev 01)
05:05.0 Multimedia Controller: Xilinx Corporation Device 211a (rev 01)
foltia、chinachuなどの録画サーバーでも問題なく使えそうです。余ってるスロットも埋められて満足。
ちなみに、通電するとちょうどインジケータがイイ位置に来ます。
サイドパネル閉じちゃったら見えないんですけどね。
録画機へのビデオカードの追加の検討
なお、TX1330M2で直接視聴したい場合には適当なビデオカードの追加は必須です。
本機はCPU内蔵のビデオ機能は無効化して統合コントローラ側のMatrox G200eを使います。
このチップではそもそもSXGA程度までしか表示出来ませんし、もう動画再生なんて全然まったくさっぱりダメです。まあ、1998年の設計のG200を小改良した程度のコントローラ(Matrox MGA MilleniumやMystiqueレベル)ですしね…。
前者はTDP30Wと現行型でもっとも低消費電力を誇る上、4K60Hzに対応したDisplayPort1.4とHDMI2.0を搭載。バスはPCIe3.0 x4なのでTX1330M2で使う場合2番スロットに挿しても勿体なくない(笑)ですし、WindowsでEDCBなどを使うのであればこちらが良いでしょう。
後者は少々世代が古いんですがHDMI1.4を4ポート備え、トレーディング用PCなどにピッタリです。
しかもシュラウドの切り欠き加工不要。
ただし動画関係で使う場合の注意点として、GT1030はNVENCが使えないことは特記しておきます。このクラスのカードでシビアにゲームする人もそんなにいないと思いますがG-SYNCもダメです。高機能なのが必要ならGTX買え、ってことですね。
FruidMotion狙いでRADEIB RX550という手もあります。XFXとHISから1スロット品が出ています。
などと言いつつ仮組してみたのがこちら。
録画機に10GbE要らないだろ、とかはまあ置いておくとして、この状態ですと実はPCIE-PCI変換ボードのフラットケーブルがTX1330M2のシュラウドと干渉します。シュラウド下端の加工が必要です。うまく収納してなんとかならないか試しましたが、切っちゃったほうがはやいです。
x4スロットで問題なくビデオカードが機能することを確認しました。
※フラットケーブルでD-SUB端子を取り出しているロープロファイルカードでは結構な確率でケーブルがシュラウドと干渉します。実際の使用時には3番スロットのシュラウドの切り欠きを開けるか、アナログRGBの端子は取り外す必要があるかもしれません。
その他、UFM用の内蔵USB2.0ポートっぽい端子をテストしたところやっぱり普通のUSBとして使用可能でしたので外部へ引き出し。
ちょうどPCIE-PCI変換のPCIe側の上を跨ぐ形でUSBのケーブルを通せるので、計6スロットを余すところなく埋めることに成功。満足。
こちらの1台はFoltia Anime lockerをインストール。
構成はだいたいこんな感じ。基本的には前節のFreeNAS向けのものと同じくTX1330M2はニコイチしています。
CPU Pentium G4400
RAM 8GB(DDR4 ECC-2133・4GB*2)
起動 intel SSD X25-M 80GB
HDD WD RED 8TB WD80EFZX*4・後日容量拡張用4
GPU ASUS GT730-SL-2GD3-BRK
10GbE intel X540-T2
SAS HBA IBM M1015(LSI SAS9220-8i)
これで地上波4チャネル・BS/CS4チャネルの計8チャネル同時録画。
・Foltia Live(リアルタイム遠隔視聴機能)を使うにはi3以上を要求します。機能的にAVXなどを使っているわけではないようですが、まあ使わないので気にしない。
消費電力を計算してみる
ちなみにチューナー周りはこんなけったいな構成にしなくてもFoltiaの最新版であればPX-Q3PE4のドライバが入っているので現行商品のチューナーカード1枚で事足ります。単にPT系が使いたかった(&スロット埋めたかった)だけです。
今回は手持ちの余剰資材の都合で前節で作成したFreeNAS用のものとほぼ同等の構成(≒TX1330M2ニコイチ+α)をとっていますが、ほかの拡張カードも別に高速ファイルサーバーとしての性能を要求するとか標準以上の台数を必要としない場合はどちらも不要でしょう。無駄な熱源になるだけですし。
10GbEについてはFoltia Anime locker ver.5(≒CentOS7.4)ではAquantia AQC107が、SASHBAにしてもHighPoint RocketRAID 640Lや同2720あたりがインボックスドライバで動作しますから、そのへんで十分だと思われます。
なお、この構成でHDDを8台搭載時にだいたいピーク時170~180W程度、LSI SASとintel 10GbE、ついでにDVD-ROMドライブを取り外し、HDDを4台構成とした場合110W前後となります。
各パーツの消費電力
WD80EFZX ピーク6.4W・アイドル5.2W・スリープ/スタンバイ0.7W
intel X540-T2 17.4W
PT1/PT2 +3.3V 1A/+5V 2A/+12V 0.5A ※実際の稼働時にこんなに喰ったことないですが。
参考
RocketRAID 600series 12V: 2.5W; 3.3V: 0.7W
RocketRAID2720 11W
XG-C100C ピーク15W・アイドル8W
富士通の簡易電源容量計算ページはこちらから。
富士通は各製品ごとにどの程度の構成で消費電力がどうなるかの計算ツールを提供しています。
純正部品についてしかリストにないのはまあご愛敬ですが、適当に置き換えて試してみたらよろしいかと。
なんなら1週間どころか1か月くらいの全部録りも。
地上波が1時間6GB程度・BSが9GB程度ですので、この構成ですと15GB*4set*24d*7hのTS(Mpeg2)のまま1週間録りっぱなしで11TBほどになります。1か月全録を狙おうとすると…12TB*4とするか、8TBでしたら6台以上を用意する必要があります。
HDDベイを追加装備したTX1330M2なら全部埋めれば8TBドライブでも5週間はいけますね。
帯域的にも4T4Sの同時録画でも20MB/秒を超えることはほぼないようです。
昨今のHDDは200MB/秒近くの書き込み速度が出ますので、HDD側の転送速度が不足するとしたら全チャネルで同時エンコードを回すなどした時くらいでしょう。
現在8TB製品は価格的にスイートスポットに入ってきており、出始めご祝儀価格の12TBを1台買う金額で8TBなら2台手に入ります。TX1330M2を2台・HDDキャディを8個、SAS HBAを買ってもまだおつりが来ますので、全録するならオススメはそちら。
…まあ12TB*8台ならPX-Q3PE4を2枚使っての8T8S(地上波8チャネル・BS8チャネル)でも1か月全録出来るので、上を見ればキリがありませんが。
それにしてもこの手の機器が全部ネットワーク越しに扱えるようになったおかげでリビングに録画機置かずに済むようになって見た目にもすっきり。なんなら屋根裏か蔵にもTV系の配線しておけばもっと置き場所がどうとでもなったなあ、と。これからミサワホームあたりの蔵つきで新築される方、蔵にもネットワークと映像系の配線しておくと便利ですよ。