M3シリーズが発売になり、前モデルのM2が大幅に価格を下げて在庫処分中。
今回購入したのはそのM2シリーズの中のタワー型エントリー機、TX1330M2。
Skylake系CPU(Xeon E3 v5、PentiumG4400)などを搭載可能で、購入機はPentiumG4400・DDR4-2133/4GB(ECC・Unbuffered)、80Plusプラチナ450w電源、といったスペック。
低価格サーバーをPCとして使う、というのが一部で行われており、同社製品でもこれまでTX100、TX1310等が時折スポット的に2万円前後で売られています。今回のTX1330M2も一部モデルが2万円を切る価格で流通中。
果たして本機はそうした使い方に向くでしょうか。
まずはスペック。
一応間違いがあったときのために富士通のカタログPDFにリンクを貼っておきます。
最終的な購入決定の際には仕様を確認してください。
搭載可能CPU(メーカー出荷時)
Xeon E3-1200 v5シリーズ
PentiumG4400
Core i3-6100
第6世代CoreのSkylake系CPUに対応。一般的なCPUではCore i7-6700などの世代です。
ちなみに執筆時点(2017年10月)では第7世代が主流で、第8世代の出荷が開始されたところ。
搭載可能メモリ
DDR4-2133・4~64GB(4スロット)・ECC・Unbuffered
メモリ速度は若干抑え目の2133MHz。エラー訂正機能(ECC)対応。
(2017年10月3日追記)
ECCなしのものも動作するようです。現在テスト中。
ストレージ(メーカー出荷時に選択)
トレー式でフロントパネルを外せばそのまま挿抜出来ます…が、肝心なトレー・HDDは別売り(モデルによりますが)。
電源
80Plusプラチナ・450Wリタンダント対応または300W
必要十分な容量で、かつ消費電力効率に優れた80Plusプラチナ認証電源。
450W搭載モデルではもう1発追加して電源ユニットの二重化に対応。
450Wモデルは安全性とトレードオフで電源の冷却ファンが小径化しており、最大出力では相当な動作音です。
普段の動作では「まあちょっと音がするなー」程度ですが、寝室兼用の部屋に置くのはちょっと躊躇するレベル。
サーバー室に置く分にはもう全然静かな部類なんですが。
このケーブルではATX24ピン・EPS8ピンで供給されている各種電圧が一本化されているため保守性の向上に寄与しています。ただしエンドユーザーがそのへんでPSUを買ってきて交換、ということは考慮されていません。
※ここからは450Wリタンダント対応機についての説明です。
デバイス接続用としてはドライブベイと接続する専用端子のほか、ビデオカード用の6ピン端子2nd/3rdのストレージベイ用の6ピン電源(12V)がある一方、汎用ストレージ用は4ピンペリフェラル*1・標準SATA*1・MiniSATA*1とかなり少なめです。
PC化したい場合には少々頭を悩ませることになるでしょう。
(2017年10月3日追記)
(2017年10月22日追記・再修正)普通にその辺に余ってた6ピン用延長使えました。8ピンの物を見てて逆から数えたようです。あほすぎ。
(2017年10月29日追記)
2ch激安サーバースレの方のご指摘で再確認したところ、やはりTX1330M2側の端子はPCIe補助電源端子の規格のものとは形状が異なり、たまたま手持ちの6ピン延長ケーブルの受け側がいい加減な形状だった様子。
延長ケーブルがそういうものなのか、いい加減な会社があるのかは判然としませんが、後ほど手元の延長ケーブルを何種か確認しますのでその14・ビデオカードの搭載その①、その16・ビデオカードの搭載その②あたりをご覧いただければ幸いです。
なお、後継のM3シリーズと共通のユニットなので使いまわしが可能。海外だと単品220ユーロ前後。
※ここからは300Wモデルについての考察です。
海外向け製品では300Wモデルは一般的なATXサイズの電源ユニットを搭載しています。
ただし、こちらの場合もマザーボードとの接続は16ピン専用端子のため、汎用のATXPSUと接続するには端子の変換ケーブルなどを用意する必要があります。
内蔵デバイス接続用のケーブル類は450W機のものより少なくなるようです。
富士通製D3373-A11。
搭載コンデンサは固体・電解混載です。ただし当方購入機は電解はすべてRubycon製でしたので寿命などは十分安心できるレベルだと思われます。
拡張スロット
PCIe3.0 x8 2スロット(物理形状x8・エッジフリー)
PCIe3.0 x4 1スロット(物理形状x8・エッジフリー)
PCIe3.0 x1 1スロット(物理形状x4)
拡張スロットは4本。
そのうちPCIe3.0についてはエッジフリーで、6ピン電源を2系統もつため、必要ならある程度の性能までのビデオカードの搭載も可能。ただし6ピン電源端子はソケット形状の問題で加工は必要かつケーブル長はかなりギリギリで、2・3番スロットに追加電源を要する拡張カードを取り付ける場合には延長ケーブルを用意したほうが良さそう。
外部入出力
アナログRGB
USB2.0 *4(背面4)
オーディオ入出力なし。
拡張ベイ
本機のストレージベイはすべて外部からアクセス可能。
外部5.25インチベイ *3(うち1は光学ドライブで占有済)
HDD/SSDベイ(購入時に選択。フロントパネル形状が異なり、購入後の追加は不可能)
・3.5インチHDD・トレー式外部挿抜対応 *4または*8、5.25インチベイ併用により最大*12
・2.5インチHDD/SSD・トレー式外部挿抜対応 *8または*16、5.25インチベイ併用により最大*24
いずれの場合も、すべて専用トレーが必要です。
Sシリーズの内部トレーやM1世代までのものは割とeBAYやサーバー部品を扱っているお店で安価に手に入りますが、M2/M3では新型トレーに変更になっているため、2017年10月現在では単品入手はかなり難しいです。
当方が探した範囲では1店舗のみ、5000円強でした。
冷却系
CPUクーラーはCoolerMaster製HEL-00145-F1-GP2。
銅製ヒートパイプ3本のファンレスクーラーです。
冷却ファンはシュラウド側に120mm系PWM対応のDelta製ファンを2発備え、CPUクーラーの前後に配置することでCPUへの重量負荷を軽減しつつ大風量を確保。
ファンは前後とも38mm厚のDelta Electronics QFR1212EHE-6H31。
主要諸元は次のような感じ。
消費電力DC12V/最大1.5A・風量173.83CFM・回転数最大5000RPM・動作音59dBA
前後ともゴムブッシュで取り付けられ、ダンパーにより振動を抑えています。
…が、全開で回ると当然ですがかなりの音量・風量です。
PentiumG4400にはこんな高性能な冷却機構は全然必要ないので、普段そんな回転数で回ることはほぼありませんけどね。
筐体
そこそこ大柄です。重いです(フル装備時23Kg)。
177*560*455mm と奥行・高さともに大型化しているので、TX100S・TX1310Sシリーズがギリギリだった設置場所には置けない場合が出てくるかもしれません。
拡張ベイはTX100・TX1310から変更され、5.25インチベイ*3(うち1は光学ドライブで占有)となっています。
3.5インチベイが廃止されたのはまあ時代の流れですね。
筐体本体は亜鉛メッキの厚みのある鋼板なので使いまわしたい場合にはありがたい変更です。
逆にTX1330M2の中身を小型筐体に移す場合も電源ユニットの固定に悩まずに済むようになりました。
その2に続く。